アメリカの転職事情に学ぶ、日本人が知らない「キャリア観」

7〜11分

アメリカの転職事情について、どれくらい知っていますか?

「アメリカは転職が多いらしい」
「キャリアアップのためにどんどん辞める」そんなイメージを持っている人も多いと思います。

でも実は、その “多い” というレベルは、日本の感覚とかなり違います。
日本では「3年で辞めるのは早すぎる」と考えがちですが、アメリカでは、3年どころか、転職すること自体がごく普通なのです。

目次
  1. 日本とこんなに違うの!? 驚愕のアメリカの転職事情
  2. アメリカの転職事情の真相にせまる!
  3. データで見るアメリカの転職事情!
  4. 最後に

アメリカでは、「3年で辞める」どころか、転職すること自体がごく当たり前です。それは根性がないからでも、忍耐力が足りないからでもありません。
アメリカではむしろ、同じ会社に居続けることがリスクになる場合すらあります。

実際、キャリアアップや待遇改善のために数年おきに職場を変える人も珍しくなく、転職=失敗というイメージはほとんど存在しません。日本の感覚で見ると驚くかもしれませんが、アメリカでは「同じ会社に長くいること」よりも、何ができる人間か、どんな実績を持っているかの方がはるかに重視されます。

アメリカで転職が当たり前なのは、個人の考え方というより、社会の仕組みそのものが違うからです。
まず、アメリカでは企業が一生雇用を保証する前提がありません。
業績や経営判断によって、レイオフ(解雇)が起こるのは日常的で、勤続年数が長くても雇用が守られるとは限りません。

そのため、働く側は「会社に居続ける=安全」とは考えず、自分のスキルや経験を市場でどう活かすかを重視します。

さらに、職務内容が明確なジョブ型雇用が基本のため、同じ会社に残るより、転職した方が給与や役割が良くなるケースも多いのです。

ジョブ型雇用とは

業務内容を明確に定義し、その業務に必要なスキルや経験を持つ人材を募集・採用・評価する雇用形態である。欧米では一般的であり、日本の「メンバーシップ型雇用」と対比で注目されています。

アメリカでは約 90.1% の人が転職経験ありというデータがあります。
これは日本(59.7%)と比べて非常に高い比率です。

Indeed Japan “転職に関する5ヶ国比較調査”(2023)
転職経験率
アメリカ90.1%
イギリス92.7%
ドイツ84.2%
韓国75.8%
日本59.7%

*転職経験率(一度でも転職したことがある人の割合)

つまり、アメリカでは「転職する人が例外」なのではなく、転職しない人のほうが少数派という感覚に近い。

ここまで見てきたように、アメリカと日本では、雇用制度も文化も価値観も大きく異なります。
そのため、アメリカの転職スタイルをそのまま日本に当てはめることはできません。

実際、日本では転職によって条件が必ず良くなるわけではなく、失敗した時の立て直しが簡単とは言えません。
この点を無視して「アメリカでは当たり前だから」と真似するのは、現実的ではないでしょう。

ただ、それでもアメリカのキャリア観から日本人が学べる点はあると思います。

それは、「会社に居続けた年数」そのものよりも、その時間で何を身につけ、どんな役割を担ってきたのかを重視する考え方です。

アメリカでは、キャリアは会社に預けるものではなく、個人が管理するものだという意識が強くあります。転職が多いのは、その結果であって、目的ではありません。

この視点は今後の日本社会でも無視できなくなっていく可能性があります。

終身雇用が前提ではなくなり、企業も人を一生守ることが難しくなることが予想されます。しかし、日本がアメリカと同じ転職社会になるかどうかは分かりません。おそらく、同じ形にはならないと思います。
ただ、「キャリアは個人で考えるものだ」という考えは、少しずつ広がっていく可能性があります。

3年で辞めるのか、10年で続けるのかが問題ではなく、その時間をスキルアップのためにどう使い、人生という限られた時間の中で、どのように過ごすか。

アメリカのキャリア論が教えてくれたのは、転職の多さではなく、人生を一つの選択に固定しすぎないという考え方なのかもしれない。

コメントを残す

仕事、これでいいの?をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む